人口あたりの看護師数が全国1位の高知。その医療実態とはどのようなものなのでしょうか。
圧倒的に多い!高知県の看護師数
高知県は、人口あたりの看護師数が日本全国で第1位となっています。高知県民でさえ、47都道府県で高知が1位というのに違和感を覚えることが多いようですが、これは紛れもない事実なのです。具体的な数値を示すと、人口10万人あたりの看護師数は1639.59人。首都である東京が857.88人なのに比べ、圧倒的な数字といえます。(2008年度調べ)
ちなみに看護師の総数でいうと12,855人となり、この順位では全国41位。人口の少なさが結果的に“人口あたりの看護師数”を引き上げている側面がありますが、人口が少ない県だからといって必ずしも“人口あたりの看護師数”が高いというわけではありませんので、これは高知県の看護師確保に向けた取り組みが優れていると判断して問題はないでしょう。
せっかくなので、看護師数のベスト5&ワースト5をご紹介しておきます。
人口10万人あたりの看護師数ベスト5
▶ベスト5 | ▶ワースト5 |
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1位:高知県(1,639.59人) | 1位:埼玉県(696.36人) |
2位:鹿児島県(1,631.44人) | 2位:神奈川県(703.02人) |
3位:長崎県(1,556.29人) | 3位:千葉県(714.44人) |
4位:熊本県(1,553.2人) | 4位:東京都(857.88人) |
5位:宮崎県(1,550.01人) | 5位:茨城県(859.83人) |
病床数と看護師数は比例する!
看護師の配置基準というのは“入院患者あたり常に7人”というのが目標値。そのため、看護師数は病床数との関連性が非常に高くなります。病床7に対して看護師1を確保できていれば、7:1の配置基準を満たせるわけですから。
となれば“人口あたりの病床数”と看護師数は関連性が高いはずです。そこで、ここでは都道府県ごとの“人口100人あたりの病床数”について見ていくことにしましょう。
人口10万人あたりの病床数ベスト5
▶ベスト5 | ▶ワースト5 |
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1位:大分県(1.33床) | 1位:埼玉県(0.54床) |
2位:高知県(1.25床) | 2位:神奈川県(0.55床) |
3位:鹿児島県(1.23床) | 3位:千葉県(0.59床) |
4位:熊本県(1.23床) | 4位:愛知県(0.62床) |
5位:長崎県(1.17床) | 5位:静岡県(0.66床) |
人口あたりの看護師数でトップ3を占めていた県について見てみると、高知県が2位、鹿児島県が3位、長崎県が5位。看護師数のワースト3は、そのまま病床数でもワースト3を構成しています。これを見れば一目瞭然、看護師の人数は疑いなく地域の病床数と連動しているといえそうです。
統計上の医療事情が良好な高知県で賢く転職!
医療事情全般について確認したところ、看護師数や病床数は医師数、病院数、高齢者数と相関関係があるようでした。高齢者の多い地域では病床が多くなり、結果的に医師や看護師も多くなるということでしょう。要するに需要の多いところに病床も医療従事者も集中しやすいということです。
事実、高知県における人口あたりの高齢者数は全国3位。必要に迫られて医療が充実しているという側面があるのは間違いありません。
ただ、これは看護師からすれば有り難い話。
充分な需要があるのなら医療機関の経営状態にも問題はないはずですし、経営状態が良いなら給与条件なども良くなりやすいはず。せっかく高知県で看護師をしているのなら、地の利を生かして好条件での転職を果たしたいところです。